初心者のためのダイビング基礎用語


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フーカー潜水(ふーかーせんすい)は、本来、目・鼻・口を同時に覆う簡単なマスクに水上からホースで空気を供給する送気式潜水の一種を指す。その名称は、かつて阿片などの麻薬を吸うときに使用されていた器具の名前(hookah)に由来する。ヘルメット潜水との対比から、マスク潜水と呼ばれる場合もある。 水上からホースで送られた空気は、安全のための逆止弁を経由してマスク内に連続的に供給される。ダイバーの呼気および余剰に供給された空気は、マスクに取り付けられた排気弁から水中に放出される。水上の空気供給装置の能力は一般に非常に限られており、潜水可能な深度は水深10m前後が普通である。ヘルメット潜水と比べ装備が簡便で軽量なため、かつては浅い場所での簡単な水中作業などで多用されていたが、その後のスクーバの普及により活躍の場は大きく狭まった。しかし、水上から空気を供給するため潜水時間に制限がないことと、構成が単純でメンテナンスも容易であることから、現在でも、一部地域の潜水漁師などによって少数ながらも使用されている。 スクーバの普及に伴い、フーカー潜水の発展形として、スクーバダイビングで使用するマスクとレギュレーター(2ndステージ)を使用し、ダイバーが背負うタンクに替えて水上から空気を供給する潜水装置が広く使用されている。現在では、フーカー潜水といえばこちらの方式を指すことが多い。空気供給装置の能力にもよるが、水深20~30m程度まで潜水可能なものもある。 シーウォーカー™フーカー潜水に類似した潜水方法として、フリーフローヘルメット(free-flow helmet)と呼ばれるものがある。これは、簡単にいえば、水中で逆さまにしたバケツには水が入らないことを応用したもので、首下あたりまでを覆う単純なヘルメットに、水上からホースで空気を供給する潜水方法である。ヘルメットには空気の供給を調整する機構はとくになく、余剰の空気はヘルメットの下部から水中に放出される。これがフリーフロー(free-flow)と呼ばれる所以で、フーカー潜水のマスクも同様にフリーフローマスク(free-flow mask)と呼ばれることもある。フリーフローヘルメットは、スクーバが広く普及してからはほとんど使用されなくなっていたが、近年、このシステムをレクリエーション用に改良したものが『シーウォーカー™』などと称して再登場し、日本でも沖縄のビーチリゾートなどで使用されている。 ヘルメット潜水(へるめっとせんすい)は送気式潜水の一種で、ゴム引き帆布などの防水素材で作られた潜水服と、ガラス窓のついた金属(主に真鍮)製のヘルメットを使用し、水上からホースでヘルメットに空気を供給する潜水方法である。 1950年代にスクーバが普及し始めるまではほぼ唯一の実用的な潜水方法であったため、水中土木作業や軍事用など作業潜水の分野のほか、漁業用としても広く一般に使用されてきた。そのため「潜水服」という単語でヘルメット潜水の装備一式を指し示す場合もある。 しかし、1900年前後に基本的なシステムが確立されて以来全体としてはほとんど改良されていない古いシステムであることから、ダイバーには非常な熟練と体力が要求され、安全性についてもけっして高いとはいえない。また、装備の重量だけでも80~90kgに達するうえ空気供給ホースなどで行動が制約されるため、機動性もきわめて低いといえる。そのため、現在では機動性の高いスクーバや近代的な送気式潜水に急速に取って代わられつつある。 製造者や型式によりFX の差異はあるが、ヘルメット潜水で使用する装備の概要は以下のとおりである。 潜水服 ヘルメット潜水で使用される潜水服は、ゴム引きの帆布などの防水素材で作られた手首から先を除く全身を覆うもので、他の潜水方法で使用される潜水服と比べるとかなり大きめに作られている。潜水服の首の部分は比較的大きな開口部となっており、ここからダイバーが潜水服内へ入った後台座を取り付けヘルメットを固定する。このような構造により、潜水服とヘルメットが一体となって気密(水密)空間を構成しているということがヘルメット潜水の特徴のひとつとして挙げられる。これは、スクーバダイビングで使用されるドライスーツと同様、空気による断熱効果によってダイバーの体温を維持するためのある意味一番単純な解決法でもある。またヘルメット潜水では浮力の調整も潜水服内の空気量を調整することで行うので、その意味では潜水服が浮力調整器を兼ねているともいえる。 ヘルメット 主に真鍮などの金属で作られたヘルメットには、空気供給ホースの接続口や排気バルブ、水面と交信するための電話装置などが取り付けられており、文字通りヘルメット潜水の中心的器材といえる。ヘルメットは潜水服同様かなり大きめに作られており、また台座に固定されているためにダイバーの首の動きに追従できる構造にはなっていない。そのため外部を観察するためのガラス窓が正面以外(左右の側面と、型式によっては正面上方)にも取り付けられており、外観上の特徴となっている。排気バルブは一般にスクリュー式と手動開閉式の双方が装備されており、これらを組み合わせて操作することにより潜水服内の空気の量を調節する。手動開閉式のバルブは、作業中などくりっく365 が塞がった状態でも操作できるよう後頭部(型式により額や顎のものもある)で作動レバーを操作してバルブを開くばね復帰式のものが一般的である。 空気供給ホース ヘルメット潜水で使用される空気供給ホースは、使用される圧力が比較的低くかつ空気の消費量が他の潜水方法と比べて多いのでかなり太径であり、ダイバーの腰の付近に固定される手動式の調整バルブおよび安全のための逆止弁を経由してヘルメットへ接続される。空気供給ホース自体は強い張力には耐えられないので、潜降・浮上の際などにダイバーを吊り下げるため命綱が併用される場合も多い。さらに電話装置用の通信ケーブルを含めた3種類を束ねて使用することも多い。 空気供給設備(空気ポンプ) ヘルメット潜水で使用される空気供給設備は、古くは手押し式あるいは手回し式など人力によるポンプが使用されていたが、現在ではほとんどがエンジンまたはモーターを動力としたポンプとなっている。ヘルメット潜水では一般にダイバー側に予備の空気タンクを装備することはほとんどないので、万一の動力の停止あるいはポンプの故障に備えて水上設備側に予備の空気タンクを設備することが一般的である。 重錘(ウェイト)等 ヘルメット潜水では、潜水服やヘルメットの内容積が多く大きな浮力が働くことや潮の流れなどの中でも安定した作業をする必要があることなどから、胸や背中などに重い鉛の錘を装着し、さらに水中で安定して直立姿勢を保てるように靴も鉛の錘が内蔵されたものを使用する。そのため装備の総重量は80~90kgに達する。 空気供給ホースの存在 ヘルメット潜水が開発されたのは、当時十分な量の空気を水中へ携行できる圧力容器が存在しなかったという純粋に技術的な理由によるものだが、水上の空気供給設備さえ稼動していれば空気の供給能力による潜水時間の制限が事実上存在しない利点があるともいえる。しかし、空気供給ホースが水中の障害物に引っ掛かるという危険性が常に存在するうえ、たとえばトンネル状の通路を通りぬけて反対側で浮上するようなことが不可能であるなど、ダイバーの水中での行動に大きな制約を与えているということも事実である。また空気供給ホース自体が損傷を受けた場合、空気の供給が完全に途絶してしまう危険性もある。 ヘルメットと潜水服が一体となって気密(水密)空間を構成していること 一時的にダイバーへの空気供給量が低下してもヘルメットと潜水服で構成される気密空間内の空気は比較的多いため、ダイバーの呼気はある程度希釈され二酸化炭素濃度が急激に上昇することはない。そのため状況にもよるが、空気の供給が完全に停止してもおおむね5分程度以上は生存可能であるとされている。ただ、これはあくまでも結果論であり空気供給の不安定性の裏返しでしかない。また気密空間内の空気が多いということは換気の効率が悪いということでもあり、給排気の調節が不適当だと逆に二酸化炭素濃度の上昇を招きやすいという欠点もある。

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